自灯明——自分を拠り所として生きる
「自灯明(じとうみょう)」という言葉があります。
仏陀の最期の教えとして伝えられる、「自らを灯火とし、法を灯火とせよ」という言葉です。誰かの意見や流行にただ流されるのではなく、自分の経験に照らしながら、自分の足で確かめていく。その姿勢を大切にしなさい、という教えです。
私たちは日々、多くの情報に囲まれて生きています。便利である一方で、気がつけば「自分は本当はどう感じているのか」が見えにくくなることもあります。
そんな時こそ必要なのが、自分の心に静かに問いかける時間です。
今、自分は何を求めているのか。 何を恐れているのか。 何に心が動いているのか。
曹洞宗でも、坐禅や日々の作法を通して、自分の在り方を照らし出していくことを大切にしてきました。形は入口にすぎません。その形を通して、自分の心がどう動いているかに気づくことこそ、修行の要となります。
誰かの答えを急いで借りてこなくてもよいのです。
静かな時間の中で、自分自身の内に小さな灯をともす。その積み重ねが、迷いの中でも歩みを支える光になってくれます。
合掌